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コンドライト

 

よみ方

こんどらいと

英 語

chondrite

説 明

岩石を主成分とする隕石(石質隕石)の中で、ケイ酸塩の球粒組織であるコンドリュールを多く含み、溶融を経験せず、岩石質と金属質が分かれていないものの総称。難揮発性元素に富むCAI(高アルミニウムカルシウム含有物)、金属鉄、硫化鉄などを含む。粒子の間隙は数ミクロン以下の微粒子で埋められていて、マトリクスと呼ばれる。コンドライトは、組成から、エンスタタイトコンドライト、普通コンドライト、炭素質コンドライトに分類される。この順に鉄の総量に占める酸化鉄の割合が増えるため、還元的環境から酸化的環境までの違いを表していると考えられる。酸化鉄の量や酸素同位体比により、エンスタタイトコンドライトはさらに、EH, ELに分類され、普通コンドライトはH, L, LLに、炭素質コンドライトは、CI, CM, CO, CV, CR, CK, CHに分類される。いずれにもあてはまらない、Kコンドライト、Rコンドライトというグループも提唱されている。地球に落下する隕石の8割以上がコンドライトで、そのうち大部分が普通コンドライトである。そのため、地球型惑星の原材料物質として、平均的なコンドライト組成の物質を考えることが多い。

2018年09月16日更新

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    *コンドライトの分類と酸化鉄の量比。
    橘 省吾「隕石」、シリーズ現代の天文学第9巻、渡部・井田・佐々木編『太陽系と惑星』 5.2節 図5.9 (日本評論社)