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CH星

 

よみ方

しーえいちせい

英 語

CH star

説 明

天の川銀河銀河系)ハロー種族(種族Ⅱ)の炭素星赤色巨星の一種であるが、同程度の温度と表面重力をもつ星に比べて金属線は一般に弱いが、CH分子帯が強く、SrやBaなどの重元素の吸収線も強い。これらの元素の過剰は、炭素星(N型)にみられるように漸近巨星分枝(AGB)星による元素合成の結果であると考えられる。銀河系ハローの星は小質量星で、それ自身からこのような元素組成になることは期待されないが、CH星は一般に連星系に属することが確認されており、もともと主星であった天体が漸近巨星分枝段階に達したところで炭素やs過程元素が豊富になり、それが伴星表面に降着したものと理解されている。主星は現在では白色矮星に進化し、直接観測されない。CH星は銀河系ハローの赤色巨星の2割程度を占めるとの見積りもある。金属量の低い星では酸素組成も低く、炭素が容易にそれを上回ることができることがCH星が多い理由の一つである。また、同様の性質を示す準巨星はCH準巨星と分類される。化学特異星も参照。

2019年02月06日更新

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    CH星のスペクトルの例。
    (Barnbaum, et al. 1996, ApJS 105, 419より引用)