天文学辞典 | 天文用語をわかりやすく解説

中心分子雲帯

 

よみ方

ちゅうしんぶんしうんたい

英 語

central molecular zone(CMZ)

説 明

天の川銀河の中心付近にある分子ガス雲の複合体。英語の頭文字からCMZ(しーえむぜっと)と呼ぶことも多い。銀河面に沿って、中心から半径200~300パーセク(200~300 pc=1000光年)程度の範囲に数十pcの厚さで円盤状に広がっており、ガスの総質量は1\times10^8 M_{\odot}。回転運動から得られる観測領域内の力学質量2\times10^9 M_{\odot}なので、領域内では星に対するガスの質量は5%程度である。円盤状とはいっても対称性は悪く、銀河中心より銀経で東側に分布が偏っている。銀経で東側が手前にある棒状の構造をしているとの研究結果もある。この領域にある分子雲は円盤部にある分子雲に比べて、密度で1桁程度、温度で数倍から1桁程度は高い。速度分散も数倍は大きく、外圧も考えないとビリアル平衡にはない。高温ガスや磁場が外圧として働いていると推定されている。

2018年04月01日更新

関連画像

CS輝線によるCMZの様子
天の川銀河中心付近の分子ガスの天球分布。野辺山45m電波望遠鏡で坪井らが観測した一硫化炭素分子(CS)輝線による画像。銀経-1°
複数の電波輝線強度を比較することで推定された、銀河面と垂直方向から見下ろしたCMZの分子ガス分布。太陽系は図のy軸下方の-8500pcに位置する。Sawada et al., 2004, MNRAS, 349, 1167より。