天文学辞典 :ASJ glossary of astronomy | 天文、宇宙、天体に関する用語を3200語以上収録。専門家がわかりやすく解説します。(すべて無料)

New

ボーア

 

よみ方

ぼーあ

英 語

Bohr, Niels Henrik David

説 明

ニールス・ボーア(Niels Bohr; 1885-1962)はデンマークの理論物理学者。1885年、デンマーク、コペンハーゲン生まれ。1903年、コペンハーゲン大学入学。その後、ケンブリッジ大学、マンチェスター大学に留学する。マンチェスター大学時代、原子の太陽系模型で有名なアーネスト・ラザフォード(Ernest Rutherford)の影響によって原子模型の研究を始める。帰国後の1913年、従来の原子模型での電子の安定性や観測されている原子のスペクトルを説明するために、原子の中で電子は量子条件を満たす特定の軌道しかとらないこと、軌道間を電子が遷移するときのみ電子は光子を放出、吸収するという原子模型を提案して、量子力学の先駆けとなった。ボーアの量子条件とは、電子を物質波と見たとき、波長の整数倍が軌道長となるとう条件である。
1921年、コペンハーゲンに理論物理学研究所(現ニールス・ボーア研究所)を開き、ヴェルナー・ハイゼンベルグ(Werner Heisenberg)、ディラック、レフ・ランダウ(Lev Landau)など多くの研究者を集め量子論研究の一大拠点を形成して量子力学形成の指導的役割を果たした。1922年、「原子構造と原子からの放射に関する研究への貢献」によってノーベル物理学賞を受賞した。息子のオーゲ・ニールス・ボーア(Aage Niels Bohr)も物理学者で、1975年、原子核物理学の分野でノーベル物理学賞を受賞している。

2021年02月04日更新

この用語の改善に向けてご意見をお寄せください。

受信確認メール以外、個別のお返事は原則いたしませんのでご了解ください。

    関連画像

    画像をクリックすると拡大されます

    ニールス・ボーア
    出典 https://en.wikipedia.org/wiki/Niels_Bohr