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ビッグバン元素合成

 

よみ方

びっぐばんげんそこうせい

英 語

big bang nucleosynthesis

説 明

宇宙誕生直後の高温高密度期では、陽子や中性子は電子とニュートリノを交換しながら平衡状態(ベータ平衡)を保って存在しているが、平均エネルギーが0.1 MeV(温度にして10億度)くらいになると、陽子中性子が反応し元素の合成が始まる。この時期の元素合成を星の内部での元素合成と区別してビックバン元素合成という。
このときに存在したほとんどの中性子がヘリウム4に取り込まれるため、中性子の存在量からヘリウム4の存在量を理論的に見積もることができる。その値(重量比にして約24%)が、観測されたヘリウム4の存在量とほぼ一致していることが、ビックバン宇宙論の根拠の一つとなっている。また、ビックバン元素合成では、星の内部での元素合成と異なり物質の密度がそれほど大きくないので三体反応が起こらず、安定な元素としては原子番号7のリチウムまでしか作られない。

2019年11月09日更新

関連画像

* ビッグバン元素合成における軽元素の存在量の時間変化。
川崎雅裕「ビッグバン元素合成」、シリーズ現代の天文学第2巻、佐藤・二間瀬編『宇宙論I』第2版 4章図4.3(日本評論社)
* ビッグバン元素合成
「http://astrog.phys.kyushu-u.ac.jp/index.php/標準・非標準ビッグバンモデル」にある図を元に作成。