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降着円盤

 

よみ方

こうちゃくえんばん

英 語

accretion disk

説 明

恒星ブラックホールなどの天体に周囲からガスが落ち込む場合、角運動量をもっているガスは主星にはまっすぐに落ちず、主星の周りにリングを形成し、 それが広がって円盤になる。これを降着円盤という。 質量M の点源の周りを円運動する粒子の回転速度v_{\rm K}、 角速度\Omega_{\rm K}、 角運動量\ell_{\rm K}は、遠心力と重力とのつり合いの式より、
v_{\rm K} = \sqrt{GM/r}, \,\,\,\,\Omega_{\rm K} = \sqrt{GM/r^3}, \,\,\,\,\\\ell_{\rm K} \equiv r v_{\rm K}= \sqrt{GMr}
と書ける。
この回転をケプラー回転という。ここで r は中心までの距離、Gは万有引力定数である。速度、角速度とも、中心に近づくほど大きく、角運動量は逆に外側ほど大きい。内側ほど速く回っている回転円盤において粘性が働くと、内側のリングが外側のリングに対し回転方向にトルクを及ぼす。これで角運動量は内から外へと輸送される。角運動量を失ったガスは遠心力が減少するため、内側へと降着する。粘性はまた(回転運動の)運動エネルギーを熱エネルギーに転化させて円盤ガスを加熱する。こうして熱せられたガスが電磁波を出す。標準(降着)円盤モデルも参照。

2018年12月13日更新

関連画像

*連星系における降着円盤の概念図。相手の星からのガスが高密度星に回転しながら降着する。
石田 学「白色矮星への質量降着」、シリーズ現代の天文学第8巻、小山・嶺重編『ブラックホールと高エネルギー現象』 2.3節 図2.9 (日本評論社)